きゅうのお遍路日記

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6月前半のお遍路日記

6月1日(木)

お遍路を始めてから1ヶ月が経ちました。足は筋肉質っぽくなり、体重は11キロやせました。ついでにヒゲも伸ばしてます。(笑)

さて、朝5時40分にビジネスホテル・コスモオサムを出て59番国分寺に着いたのは、6時10分頃。納経を6時45分にやってもらい、次へ。
今日は長くなるなぁと覚悟していました。その長い道のりを歩いて山道へ。確かにきつかったけれど、僕はあまりそうは思わなかった。
60番横峰寺を打ち、ここでお寺からコーヒーと茶菓子のお接待。2時頃に次に向かって、山道を歩き始めました。
61番香園寺まで9.6km。それを2時間15分で着きました。これは流石にちょっとしんどかった。ここでまたお接待。六回車で四国を周っている老夫婦に一万円もお接待。ありがとうございます。

今日歩いた距離は山を1つ越えて47.5km。宿泊は61番香園寺の宿坊です。
足がなれたせいか、あまり痛くないんだなぁ〜コレが。(笑)

これより88番大窪寺および和歌山県高野山を打ち終わるまで、日記を更新するのをやめます。御了承ください。

2日(金)

33日目。香園寺の宿坊を出たのはAM6:45頃。
62番、宝寿寺、63番、吉祥寺、64番、前神寺を打ち、後は黙々と歩く。
途中呼び止められてジュースの御接待。ウレシかったぁ〜。
その人がこう言ってくれました。「絶対良いことあるからね。」って。なんだか少しホッとさせてくれました。

今日は、なんか妙に道のりが長く感じてしょうがなかった。
歩いた距離は33.6qで、宿泊先は松屋旅館です。

3日(土)

34日目。松屋旅館を出たのはAM5:00。すでに雨がパラパラと降り始めていた。
65番、三角寺までの登りの急な坂には雨の中だったから妙にまいった。(^^;
また黙々と歩き、民宿岡田に着いたのは12:30頃。岡田のオヤジさんにお昼ご飯を御接待してもらった。(^^
それ以外にもいろいろお世話になりました。ありがとうございました。

明日はとうとう66番、雲辺寺だ。930mの山だ。つらくなりそうなので、早めに寝るとしよう………。

4日(日)

いろいろよくしてくれた民宿岡田のオヤジさんの見送りの中、出たのはAM6:20頃。66番、雲辺寺までの山道は霧がかかっていた。昨日と違って雨は降っていなかったが、雲と霧で、山を覆い隠していた。
きつい、きついと言われていた雲辺寺の最初の山道だが、僕はそれほどでもなかった様な気がする。
しかし、標高が上がる度に、どんどん気温が下がっていく。66番雲辺寺に着いたときにはとても寒くて手がかじかんでいた。
しかし、雲辺寺から下を見下ろしたときの感動は忘れないだろう。
雲海が広がっているのだ。「ああ、雲辺寺。雲の上にあるお寺だ」と思ったとたんに心がジンとしたのを覚えている。

山を下りて67番、大興寺へ。そこで岡田のオヤジさんに作ってもらったおにぎりでお昼。それから、宝珠山心光院へ行き、尼さんにあってとても良い話を聞きました。御接待を受けた上に、数珠の持ち方まで教わってしまいました。1時間30分くらいお話をしてから次の札所へ。ゆっくりさせていただきました。皆さん、もし良かったら、宝珠山心光院に、お寄りになって下さい。良い話が聞けますよ。(^^

今日の宿泊先は藤川旅館。値段が安い!!素泊まりなら3.000円、2食付きなら4.500円!!さらに悪くないときてる!!僕はオススメです。
宿に荷物を置いて、68番、神恵院、69番、観音寺へ。5:00ギリギリで納経した。

今日歩いた距離は31.1qでした。

5日(月)

朝御飯を食べずに藤川旅館を出たのは、5:45頃。朝のお勤めとして、昨日納経も済ませた68、69番へ。それから70番、本山寺へ向かったはいいが、お遍路マークを見失い、迷ったあげくに2qぐらい引き返すことに。(^^;
71番、弥谷寺に行く途中で朝御飯としてBONという喫茶店に。
弥谷寺では、入り口のお茶屋さんに荷物を置いて、お参り。帰りに一緒に歩いていた人達とお茶をする。(^^
72番、曼茶羅寺、73番、出釈迦寺を打った。出釈迦寺では、納経所の奥さんにとっても良くしてもらって、大師堂の中へいれてもらい、お大師様の顔を拝んでから、お経を唱えた。

その後、出釈迦寺の山上にある捨身ヶ嶽禅定まで。
登り途中で名水を飲み、そしてお大師様が7歳の時に身を投げたと言われる所まで鎖をひきながら、ロッククライミング状態で到着。ここで、お経を唱える。
辺りは崖が広がっているのだが、景色が良い。やはり一度行ってみることをオススメする。

捨身ヶ嶽を降りてきてからが、今日の僕の戦いだった。
この時の時間はpm4:30、74番、甲山寺2.1q。納経が間に合わない!!
宿泊先は75番、善通寺。当然善通寺の納経は明日だ。甲山寺に明日戻るのは、イヤだ。
出釈迦寺に降りるないなや、あわてふためく僕。納経所(お寺)の奥さんが、御接待でジュースをくれたのだが、すぐに飲み干して、いろいろお世話になった事にお礼を言って、一緒に歩いていた人の納経帳ももって、走った、走った(笑)
4:50頃に到着。2qを15分くらいで走った。(^^
納経は、なんとか間に合った。

そして、宿泊先の75番、善通寺に着いたのは5:45頃。
到着するなり、6:00から夕御飯。
一緒に歩いていた人が、ここ善通寺で結願!!おめでとう!!(^^

今日は一日いろいろあった。
道に迷った。弥谷寺でお茶をした。73番、出釈迦寺で、御接待を受け大師堂の中へ入れてもらい、お大師様のお顔を見ながら般若心経を唱えた。捨身ヶ嶽に登った。74番、甲山寺まで2q走った。善通寺で友達の結願祝いをやった。(^^

今日ほどゆっくりし、お遍路をしに来て良かったなと思ったことはないだろう。
胸がいっぱいだ。一番心に残る一日だろう。歩いた距離は31.6qくらいだった。

6日(火)

善通寺の中をいろいろ見て回った後、一緒に歩いていた人達とお別れだ。
ちょっとさびしくなるけど、「また、いつか」と、握手して別れた。

さあ、バクハツモードに突入だ!!76番、金倉寺から、77番、道隆寺の間のお遍路道を間違えて、2q以上プラス。
78番、郷照寺の下にある千体ある仏像の部屋は、あすこにいるとなんだか、とっても気持ちが良かった。
79番、高照院天皇寺を打ち、80番、国分寺に着いたのは4:00頃だったろうか。
80番、国分寺にあるミニ八十八ヶ所巡りを見ていたら「ああ、ここはつらかった」とか、いろいろ思いだし、涙がこみ上げてくる。
まだ終わりじゃないのに………

宿泊先は、すぐそばのえびすや旅館です。今日歩いた距離は30.1q。
明日は、お遍路ころがしの81番、白峯寺だ。

7日(水)

えびすや旅館を出たのはam4:45頃。
とても綺麗な朝焼けを見ながらお遍路ころがしに到着、登る。
やはり、急な坂なのでつらいことはつらいが、僕は思ったほどつらくなかったなと。
81番、白峯寺に着いたのは6:20頃。朝早いお参りを済ませた後、宿で作ってもらったおにぎりを口に入れる。
7:00頃に納経をして白峯寺を出て次へ。
82番、根香寺を打ち、83番、一宮寺へ向かう途中のアスファルトの下りがとてもつらく感じられた。

町へ出て、11:10くらいにランチハウスToshiで、カツカレーをお接待で大盛りにしてもらって食べた。ご馳走様でした。
83番までの道のりが、シールのないところもあり、わかりにくい。
やっぱり町中は歩きにくいなぁ〜………。
今日は83番、一宮寺で1.000円のお接待。ありがとうございます。

38日目の今日、宿泊先はビジネスホテルアサノの別館。歩いた距離は31.5q。

8日(木)

39日目の朝。ビジネスホテルアサノを出たのはam4:45頃。
途中であったお遍路さんと話しながら84番、屋島寺を目指すが、話に夢中になり、お遍路石を見逃して1qオーバー。(苦笑)
厳しいアスファルトの坂を登り、am6:30に屋島寺へ。すでに納経所がやっていたので、すぐ書いてもらい下りのハードな山道を下りて85番、八栗寺へ向かう。
八栗寺の最初の方の坂もきつく感じたのは疲れていたからであろうか………

86番、志度寺に行く前に、番外の地蔵寺へよってお参り。
なかなかでかい志度寺で、30分以上ゆっくりしてから、次をのんびりと目指す。
途中、自動販売機でカレーを買って、食べる。(笑)
わざとゆっくり、のんびり歩いたにもかかわらず87番、長尾寺にpm1:30に着いてしまってボケーっとした。

今日の宿泊先は、門前のあずまや旅館。ここに荷物を置いて長尾寺の中にある茶屋で途中一緒になったお遍路さんにコーヒーをごちそうになって、ゆっくり。
今までの積もった話をして、もうすぐ終わりだと思うと寂しいやら、うれしいやらで涙がこみ上げてきたが、なんとも不思議な気持ちである。(^^
コーヒーご馳走様でした!!最後にとっても良い話ができました!!

あずまや旅館では、本当にいろいろお世話になりました。女将さん、娘さん、娘さんの旦那さん、ありがとうございました!!
久々に手品を披露!!お遍路最後の手品でしょう。
朝が早いから、宿代を払ったのだが、ビールも飲んだのに6.000円は、なんか安くないか??女将さんは何も言ってなかったが………(後で高野山にいるときに電話で女将さんと話したとき聞いたことだが、ビールはやっぱりお接待だった。)
さらに朝御飯と言って、おにぎりと、オロナミンC、500円をお接待。
気持ちいっぱいの、ありとあらゆるお接待本当にありがとうございました!!

今日歩いた距離は31qです。

さて、とうとう明日で88ヶ所すべて回り終わるのだが、さっきも書いたように、うれしさと、悲しさ、寂しさ、色々な気持ちが心の中でぐちゃぐちゃになっている。
長く、つらく、色々な出会いがあり、色々な気持ちに触れ、たくさんのお接待があった。(日記を書きながら涙がでてくる。本当にうれしい、暖かい1ヶ月だった)

四国。一度お遍路をやった人々が、この地に住み着く気持ちがよくわかる。
5月1日から今まで、長いようで短い旅だった。

すでに雨が降っている。
明日の気分次第で歩いて1番に戻るかどうか決めようと思う。
一瞬、平塚に帰るのをためらう僕がいた………

9日(金)

朝5:00、あずまや旅館を出るとき、女将さんがわざわざ見送ってくれた。
その時、またお接待で1.000円を。ありがとうございました。

雨はパラパラと降っていた。ダムへ近づくにつれ、どんどん雨足がひどくなっていく。山の天気だ。女体山への入り口であるダムをわたるところまで来てから、立ち止まってよく考えた。「登ろうか………車道を行こうか………」
あずまやの女将さんには、「雨が降っているからやめなさい。次回来たときに登りなさい」と、言われていた。
しかし、お遍路協会が立てた立て札には、「車道直進、並足歩行所要約2時間50分。女体山越えは所要約1時間、余分にかかる。登坂峻険約500m、絶景・感動のコース也」と、誘惑の言葉が書かれている。(苦笑)
まよった。答えはすぐに出なかった。なんだか、足が妙に動かなくなってしまったのだ。休憩したかったわけでもない。30分くらいその場に立ちつくしたか、ようやく答えが出た。「今回は我慢。素直に車道へ行こう」と。
雨は最悪なほど降っていた。最後の試練を与えられたかのように。

ざんざんと雨が降る中、車道を歩くのもつらい。
途中、休憩所のような所で、あずまやの女将さんにいただいたおにぎりを飲み物と一緒に食べる。その間に雨足がゆるやかになっていたので、よしっ!!と、思ってすぐかっぱを着直して出ようとすると、突然またザーーっと。(狂笑)
マーフィーの法則か………それとも、神さんの試練か………

午前8:30。山から大量の湯気(霧)が立ち上っている風景を横目に大雨の中、88番、大窪寺に到着!!
でも、なんだかスッキリしない。とりあえず、お参りと納経を済ませた。
すごくうれしいんだけど、まだ、もやもやする。
親に結願の電話を入れた。「無事に結願できました」と。ここでようやく、お遍路中いつまでたっても恥ずかしくて言えなかった親への感謝の言葉「四国に行かせてくれてありがとう」を言い終えて、「よく頑張ったな。おめでとう。」と、両親に言われたとき、止めどなく涙があふれて、何も話せなくなった。ただ親の言う言葉にうなずくばかりだった。
うれしかった………本当に心からうれしかった。
ようやくスッキリした。胸のつっかえ棒が取れた感じだった。
雨はよく降っている。だけど僕の心の中は、晴々としていた。

10日(土)

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